SSブログ

うつわを鑑賞する [アート]

美術鑑賞が自分の趣味の中でも大きな位置を占めるようになって、もともと好きだった西洋絵画から日本画へと興味が広がっていくのを感じていましたが、最近ふと目にする機会が多くなったと気が付いたのが器というジャンルの美術品です。

まったくもって無学ではあるのですが、少しずつ鑑賞頻度が高くになるにつれ、対象物の方から「形がいいでしょ」とか「色が独特にみえるでしょ」とか「手に取ってみたくなるでしょう」などど語りかけてくるようになったというか、光って見えるというかそんな気がするようになってきたのです。
少し前まで茶道具展などに行っても欠伸ばかりだった私自身が信じられません。

そんな素人の感想で申し訳ないのですけれど、最近伺った2つの展覧会に特にビビっと刺激を受けたのでご紹介します。

goto1506 - コピー.jpg

五島美術館
「特別展 瓷華明彩-イセコレクションの名陶-」
2015年6月27日[土]―8月9日[日]
http://www.gotoh-museum.or.jp/

pana1507b - コピー.jpg

パナソニック汐留ミュージアム
「アール・ヌーヴォーのガラス展 デュッセルドルフ美術館ゲルダ・ケプフ・コレクション」
2015年7月4日(土)~9月6日(日)
http://panasonic.co.jp/es/museum/

どちらも個人コレクションだからでしょうか、アートとしてスゴイ、歴史的にスゴイ、状態もスゴイというまさに第一級という表現にも納得です。
何より作品がコレクターに「好きだから買い」と思わせる魅力を持っているということで、ひとつひとつが本当にキラッキラなんですね。
背景とか見どころなどが判らなくても圧倒されること請け合いです。

パナの方は講習会にお招きいただき、假屋崎省吾氏の楽しいトークを聴かせていただきました。
その際お花の撮影は可ということでしたので記念に。

pana1507a - コピー.jpg


2015-07-29 08:43  nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

「ルオーとフォーヴの陶磁器」展、今日まで! [アート]

「ルオーとフォーヴの陶磁器」展

pana1504d - コピー.jpg

会場:パナソニック 汐留ミュージアム
会期:2015年4月11日(土)~6月21日(日)
休館日:毎週水曜日(但し2015年4月29日、5月6日は開館)
開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
入館料:一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円、小学生以下:無料、20名以上の団体:各100円割引、障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能。

この展覧会、陶芸家アンドレ・メテとパリで活躍したフォーヴの画家たちによる陶磁器のコラボレーションを紹介するという日本で初めての企画で、ルオーコレクションで知られるパナソニック 汐留ミュージアム ならではの魅力的なものですので、期間ギリギリではありますが力一杯お勧めします。
尚、記事中の写真は内覧会にて許可を得て撮影したものです。

実物を目にしてこそ、その本質をはじめて知ることになる芸術が立体作品だと思います。
今回フランスから初来日したマティス・ドラン・ヴラマンクといった名だたる画家たちが発想豊かに絵付けをした皿や壺が、強烈な個性を放って会場で競演している様は圧巻というよりほかありません。

特にルオーは他の画家たちより長く親しくメテと交流し作品制作をしたとのことで、会場の後半部分にまとまって展示が公開されています。ルオー絵画の分厚く塗りこめた絵具のタッチはこの陶磁器制作を通して発展させた技巧だそう。道化師・裸婦といったルオーが好んだ題材を水彩・油彩・カップ・大皿など多様な形に取り組んだ作品を比較して鑑賞できるようになっています。

会場の前半はメテの生涯を紹介するコーナーです。
初期の、日本の茶器のような釉薬のたれ模様の作品から、白地に鮮やかな色彩模様のファイアンスという技法に移り、さらにデコラティヴで豪奢な後期の作品への変遷が見て取れます。下絵にも芸術家の熱意と才能があふれており興味深いものがあります。

pana1504c - コピー.jpg

カップアンドソーサーなど実用を目的とした作品があるのが陶磁器の特徴。
家族やコレクターが実際に使用した(かもしれない)作品が展示されており、学芸員さんの話ではとある所蔵家さんは「一回くらいならお茶を飲んでいいわよ」と言って作品を貸してくれたとか!そんなまさかですが、セレブの自宅ではこんなティータイムが日常の風景なのかしら。。

choco3.jpg情報
さて、メテは絵付けの題材に動物・植物・人物を多く取り入れています。
中でもうさぎはお気に入りだったようで、今回少なくとも4つの作品にうさぎが登場しています。
pana1504b - コピー.jpg

このミュージアムはパナソニックの経営ですから最新鋭の照明機器が使用されており、作品の色彩や光沢感をよりリアルに感じさせるものになっています。私も細かい模様に長時間目を凝らしても目が疲れないなと実感しています。
今回第2章の冒頭ではプロジェクションマッピングによる陶器制作の過程を紹介しています。とても素敵なのでお見逃しなく。

それでは皆様、行ってらっしゃいませ。


2015-06-21 08:43  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

松園と華麗なる女性画家たち展 ブロガー内覧会に参加して [アート]

特別展上村松園 生誕140年記念「松園と華麗なる女性画家たち」

会期:2015年4月18日(土)~6月21日(日)
※会期中一部展示替えあり
会場:山種美術館(東京都渋谷区)
公式サイト: http://www.yamatane-museum.jp/
休館日:月曜日(但し、5/4は開館、5/7は休館)

shouen02.jpg

内覧会に参加させて頂いたので遅ればせながら記事をアップいたします。
 ・記事掲載の写真は主催者の許可を頂いております

小説,映画にも取り上げられるようなドラマ的人生のイメージでも有名な上村松園ですが、日本画の世界で"特に男性には負けない"という意気込みで作品を描き、作品の為の研究や独自のこだわりに対する情熱を持ち続けて多くの傑作を残した人のようです。

今回の展示では山種美術館が(多分日本一の数)所蔵する全18点の松園作品と、女性初の帝室技芸員・野口小蘋の代表作(松園は2番目でこの称号の女性はたった二人)、幕末から明治大正昭和の激動期を生きた女性画家たちの作品が3大見どころとなっています。

山種美術館創立者・山崎種二氏と松園の関係はいわゆる芸術支援活動(パトロンということですね)を通じて親しいものだったそうで素晴らしいコレクションの理由を伺うことができました。

shouen03.jpg
 蛍 上村松園(38歳作) 山種美術館蔵

38歳から亡くなる前年(73歳)の作品まで鑑賞できるのですが、一貫して"女性目線での品格のある美人画"を描いた作者の心持ちが伝わってくるようです。
何の知識や情報もなくただ眺めても勿論美しい絵の数々です。でも解説を聞き、髪型や和服,装飾品絵具や技法,時代的なモチーフや季節の演出など押さえるポイントが増えると一層興味深さが増しました。

個人的には、30代での技術を高めようと隅々まで頑張って描いている作品も素敵と思いましたが、熟練になってからの空間を活かした構図やポーズの作品にため息が出てしまいました。

shouen04.jpg
 春風 上村松園(65歳作) 山種美術館蔵

松園は表装にもとてもこだわっていたそうで、オリジナルの布を作らせるなど、絵に負けず劣らず魅力的な表装が見られますので是非ご注目を。

女性画家たちのコーナーでは実践女子学園香雪記念資料館と山種美術館所蔵の作品が百花繚乱の勢いで競演しています。キャプションにそれぞれの画家の顔写真が掲載されているのも興味をそそります。

shouen05.jpg
 紅葉狩 九條武子 実践女子学園香雪記念資料館蔵

モデルで松園から絵の手ほどきも受けていた九條武子はやはり目を見張る超美人。歌人とあって歌を添えたこの作品も独特のセンスが光って見えました。
レッスン中のツーショット写真も展示されているのでお見逃しなく。

別室では帝室技芸員の大御所男性画家たちの珠玉の作品展示が待ち構えており見ごたえ十分です。

さて企画の度に大注目のオリジナル和菓子。
今回は「ひとひら」という春の舟遊びを題材にした池田蕉園〈春流〉からイメージされたものをチョイスしました。滑らかなあんの中に杏の酸味と食感が遊び心を添えている素敵なお菓子です。
shouen01.jpg

「華麗なる江戸の女性画家たち」展
実践女子学園香雪記念資料館(東京都渋谷区)
公式サイト: http://www.jissen.ac.jp/kosetsu/index.html
が同時開催中。
こちらも是非観覧したいと思います。


2015-06-06 10:31  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

泉屋博古館「フランス絵画の贈り物-とっておいた名画」展のご紹介 [アート]

連休にたくさん行った美術展の記事を書きたいのですが、その前にひとつ、また展覧会の告知を依頼されたので早速ご紹介します。

特別展
住友グループの企業文化力Ⅲ「フランス絵画の贈り物-とっておいた名画」

senoku01.jpg

会期:2015年5月30日(土)~8月2日(日)
※巡回(終了):泉屋博古館(京都)2015年3月21日~5月17日
会場:泉屋博古館 分館(東京)
   (東京都 港区六本木1-5-1 六本木一丁目駅下車)
主催:公益財団法人泉屋博古館、日本経済新聞社
休館日:月曜日(但し7/20開館、翌21日閉館)
入館料:一般 800円(640円)/高大生 500円(400円)
 中学生以下・障害者手帳ご呈示の方は無料
 *()内は20名以上の団体料金
公式サイト:http://www.sen-oku.or.jp

アートサイトによる説明文
東京・六本木一丁目にある泉屋博古館分館では、2015年5月30日(土)より特別展住友グループの企業文化力Ⅲ「フランス絵画の贈り物-とっておいた名画」が開催されます。
明治時代以来、実業の傍ら文化事業にも高い関心を示してきた住友家と住友グループ各社が長きにわたり収集した絵画を紹介する第3回特別公開展です。
第3回目となる今展は、近代フランス絵画史上に名を残した画家たちをフィーチャーしました。
バルビゾン派のミレー、印象派のモネやマネをはじめ、新印象派のシニャック、フォーヴィスムの巨匠ヴラマンクやエコール・ド・パリのシャガールなどおなじみの画家たちの知られざる逸品約40点を特別公開いたします。

文章を読むだけでドキドキしますね。
メトロ六本木一丁目駅から伸びる長いエスカレーターを上ってすぐの処にある泉屋博古館(せんおくはくこかん-と読みます)は住友家のコレクションを展示する施設で、立地と中国青銅器の銘品などが抜群に素晴らしく、私も大好きな美術館の一つです。
一昨年から始まったグループ各社所蔵の絵画を公開するシリーズ第三弾とのことで、開催に期待が高まります。
会期中はギャラリートークやコンサートなどが予定されています。(実はこちらのギャラリートークに参加してから私のアートファン度に拍車がかかったんです)
皆さんも新しい発見があるかもしれませんね。


2015-05-20 03:01  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

「ユトリロとヴァラドン 母と子の物語-スュザンヌ・ヴァラドン生誕150年-」展のご紹介 [アート]

今日は寒かったですね。
しっかり体調管理をしないと風邪をひいてしまいそうです。
みなさまもどうぞお気を付けください。

さて、アートサイトから展覧会の告知を依頼されたので早速ご紹介します。

■□■ ユトリロとヴァラドン-母と子の物語 ■□■
□■□-スュザンヌ・ヴァラドン生誕150年-□■□

会期:2015年4月18日(土)~6月28日(日)
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
   (東京都新宿区西新宿1-26-1)
主催:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、日本経済新聞社
休館日:月曜日(ただし5月4日は開館)
観覧料: 一般 1200円(1000円)、 大・高校生 800円(650円)
     シルバー(65歳以上) 1000円 
※( )内は20名以上の団体料金 および前売り料金
※前売り券はチケットぴあ、ローソン、セブンイレブン、ミュージアムカフェ、イープラス、ちけっとぽーとでお求めください(4月4日から6月27日まで販売)
公式サイト:http://www.sjnk-museum.org/

image002.png

公式サイトによる説明
パリの風景を詩情豊かに描いたモーリス・ユトリロ((1883年~1955年)と、
ユトリロの母で画家のスュザンヌ・ヴァラドン(1865年~1938年)の展覧会です。
油彩を中心に、日本初公開作品ならびに個人所蔵作品を含むユトリロの作品約40点と
ヴァラドンの作品約40点を展示し、日本で絶大な人気を誇るユトリロの作品を、
そのルーツである母ヴァラドンとの関係を交えながらご紹介いたします。

新宿西口の高層ビルにある東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(会社統合で名称が変わりましたね。)は、ロビーからの景色も存分に楽しめる、私も大好きな美術館の一つです。
次回の企画展はユトリロとお母さんを取り上げるようです。
2002年のユトリロ展も鑑賞した記憶があり、この美術館の得意分野なんですね。
充実した内容となりそうで期待が高まります。

尚、常設コーナーの所蔵作品の内
※ポール・ゴーギャン《アリスカンの並木路、アルル》は「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」展(福井県立美術館)に2015年6月上旬まで貸出しています。
とのことです。


2015-04-08 21:11  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

書ききれなくて。。 [アート]

あまりにたくさん展覧会やイベントやコンサートに伺っていたので、整理が間に合わず記事にできずでした。ごめんなさい。
仕事や家族のことで真面目に忙しいのもあったんですが、ストレス解消を兼ねてかえって遊びすぎてバタンキューな日々が続き、少しお疲れモードになっていました。
あぁいかん、いかん。やっぱり毎日を楽しく過ごせるよう体調管理もしなくては。

ここまで貯めるとちと厄介ですね。
やはり新しい記憶から書いていきましょうか。

edohaku01 - コピー.jpg

江戸東京博物館の常設展示室がリニューアル公開されたので早速行ってきました。
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
再開記念の無料期間だったので混んでいるかなと思ったのですが、会場が広いので意外とゆったり楽しめました。
ここって以前は企画展のチケットで常設室も入れたのに別料金になってからは何年も観ていなかったんですよね。

新設のコーナーの内、「江戸から東京へ」は勝海舟の視点で歴史を読み解いたものですが、ペリー来航や川村清雄の肖像画などえどはくの企画展で勉強した内容で、得意分野が良く活かされているなと納得でした。
凌雲閣、生き人形などのアイテムもえどはくのアイコンですね。

えどはくではおなじみの浮世絵ではありますが、企画展示室の広重「名所江戸百景」展が良くてハマッテしまい、実は全ての常設展展示を見ることができませんでした。江戸百景も展示替えがあるし(前後期で120枚全展示!)是非改めて訪問したいです。

150404setabi3 - コピー.jpg

お花見も兼ねて世田谷美術館へ。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/
企画展『東宝スタジオ展 映画=創造の現場』とコレクション展『世田谷に住んだ東宝スタジオゆかりの作家たち』が開催中です。
「世田谷は日本のハリウッドだった」のキャッチフレーズがピタリとはまる展覧会で、考えてみれば砧東宝は地元中の地元。なのに映画寄りの展示はこれまで せたび より 文学館 で行われてきた傾向ですね。満を持しての登場というところでしょうか。コレクション展とリンクする滝口修造、村山知義はもとより俳優、作曲家は世田谷ゆかりの名前が多くうなずくばかり。よく知らないですが映画監督もスタジオ近くに住んでいたでしょうねぇ。ゴジラも七人の侍も世田谷から世界進出したのだと思うと感慨深いかも。。

美術、音楽、絵コンテなど手仕事の細かさに息をのみます。職人技と芸術が共存する映画の現場は活気と迫力が半端ないところですね。


2015-04-05 06:11  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

環境抜群の美術館 [アート]

この夏から秋にかけてもかなり美術展とコンサートの観賞はしているのですが、いかんせん記事を書く時間が無~い。でも書かないでいるのもストレスなので新しいところから記す作戦に変更します。

choco3.jpgうさぎフェチ?の私が、どうしても見逃せなかったのが、10/14まで開催中の「イケムラレイコ PIOON」展です。
会期:2014年4月20日 (日)~10月14日 (火)
会場:ヴァンジ彫刻庭園美術館(沼津近く)
http://www.pioon.info/

1409ikemura01 - コピー.jpg
当然ではありますが、うさぎ作品てんこ盛りです。
2014ikemura01 - コピー.jpg
これは最新作のうさぎ観音(撮影可)。

展示を見ていろいろ感じたり考えた後は、広大で美しいガーデンで一休み。
1409vangi01 - コピー.jpg
隠れ家みたいなカフェもあります。
2014ikemura03 - コピー.jpg

こちらは全体としてはクレマチスの丘というそうで、いくつかの美術館/文学館と庭園/公園、それに複数のレストランもある自然豊かな複合施設となっています。
http://www.clematis-no-oka.co.jp/main.php

ジュリアーノ・ヴァンジの、時にユニーク時に流麗で伸びやかな作品が内と外に点在するヴァンジ彫刻庭園美術館で楽しい気分になり
1409vangi02 - コピー.jpg

強く鋭い感性のベルナール・ビュフェの作品を、ベルナール・ビュフェ美術館でじっくり鑑賞して刺激を受け
1409buffet - コピー.jpg

アートに没頭できる幸せを感じた上に、天気が良く爽やかだったこの日は最高の観光日和。
どこを切り取っても絵になる光景にすっかり癒された一日でした。

そうそう、チケットはミューぽんで同伴者も割引。一回で元が取れちゃいました。アートファンにおすすめアプリです[ひらめき]


2014-10-12 08:50  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

デュフィ展に感動 [アート]

先日、会期終了間近の「デュフィ展」(絵筆が奏でる 色彩のメロディー ラウル・デュフィ回顧展)に行ってきました。

さすがに音楽を題材にした油彩やリトグラフはよく目にしていましたが、デュフィがこんなに達筆で(すみません、実はヘタウマなのかと思っていました。。)、とことんな根性の持ち主だったなんて知りませんでした。だって代表的な作風が軽やかで明るくて悩みなんてないタイプに見えたんですもの。

でも違った。悩み、迷い、影響され、試して、変わって、気付いて、辿り着いたんだってこと。
一度はあきらめた道だから、最後までやり抜こうとしたんだってこと。

若いときから亡くなる直前までの、彼が残した多種多様のイメージを順に鑑賞して、受け取ったのはやはり「生きる悦びと美への讃歌」です。
数日経っても消える気配のない、私の中に深い感動のオーラを刻み付けたデュフィ。すごい人だよ。
ありがとう、こんなにも素敵な体験をくれて。
できればいつか作品をひとつ手元に置きたいな。版画なら不可能じゃないかなー。

2014年6/7~7/27
Bunkamuraザ・ミュージアム

巡回予定
あべのハルカス美術館
愛知県美術館

choco3.jpg 
うさぎ、いました。展示替えがあったので私が会ったのは2点のみ。でもhappy!


2014-08-03 03:30  nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

話題の「こども展」 [アート]

六本木ヒルズでこの春もっとも強烈な印象の広告と言えば、現在森アーツセンターギャラリーで開催中の「こども展」のポスター。ちょうど六本木アートナイトの日から開幕でしたので、あの日は横目でチラチラ見るだけでしたが私もいつ行こうかと考えていたところ、またまた機会を頂いてブロガー内覧会に参加させていただくことができました。ご報告が遅くなってしまいましたが、記事をアップしますね。

kodomoten01 - コピー.jpg

まあインパクトがありますこと!
ルソーの「人形を抱く子ども」です。今回の企画の中でもダントツの破壊力ですね。
さてこの展覧会は2009-10年にオランジュリー美術館で開催され、日本では再構成でグレードアップしての開催。初来日の作品が多く錚々たる画家たちの手による「こども」の作品が堪能できます。
※掲載の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

「名画にみるこどもと画家の絆」という副題が示す通り、売るためというより画家自身の我が子を描きたいという衝動が形になった作品が多いというのがこの企画の最大の特徴です。
個人蔵で普段は公開されない作品など、家族で大切に受け継いでいる経緯などを聞くと鑑賞する気持ちも自然と高ぶります。
親としてまた子供として双方向の思いを取り上げていることや、時代を映す観点からの出展など見どころがつきません。

kodomoten04 - コピー.jpg

監修の一人エマニュエル・ブレオン氏は肖像画家デュビュッフの家系。
上は三代目ギョーム・デュビュッフの作品。

kodomoten03 - コピー.jpg

先日の岸田一族もでしたが画家の子供が画家やアーティストになる例は少なくないですね。
ベルト・モリゾの娘ジュリー・マネは両親の死後友人の画家たちに見守られながら自身も画家になったそうです。
今回ジュリーの成長記録ともいえるコーナーがあるのでご注目を。

kodomoten02 - コピー.jpg

ジュリーの後見人の一人だったルノワールは、自身の子育てにひときわ熱心だったようです。
まあ私からすれば(いえ、当のこども達からしても)ルノワール式子育ては結構迷惑。3人の息子はなんと女の子の姿に。。当然息子たちはイヤがったらしいですよ。
しかし絵はいずれも素晴らしく、印象に残ります。

ほかにも、モネ、セザンヌ、マティス、ピカソ、ドニ、フジタなどの愛情たっぷりの力作が並び、ため息が出てしまいます。(それぞれの表現の違いが本当に興味深いんです)
東京会場は会期も残すところわずか。6/14からは来場者プレゼントキャンペーンも始まったとか。
どうぞお見逃しなく。

あ、ひとつご注意を。
私が伺ったときには出品リストが会場にありませんでした(用意がないという説明)。是非事前に公式サイトからダウンロードしてお持ちください。

東京会場
http://www.ntv.co.jp/kodomo/ (公式サイト)
会期:2014年4月19日(土)~6月29日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)

大阪会場
会期:2014年7月19日(土)~10月13日(月・祝)
会場:大阪市立美術館(天王寺公園内)


2014-06-18 07:38  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

ザ・ビューティフル展 内覧会に参加して [アート]

先日機会を頂いて、現在丸の内の三菱一号館美術館で開催中の「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900」展を鑑賞してきました。

beaut01 - コピー.jpg

カフェは先週のドラマ「相棒」のロケ地になっていましたね。

さてこの展覧会は、ロンドン「ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館」、パリ「オルセー美術館」、サンフランシスコ「リージョン・オブ・オナー美術館」を巡回した「カルト・オブ・ビューティ」展を再構成したとのことで、同時代の英国式建造物(クィーンアン様式)での開催ということも含め美術館スタッフの方も説明に力が入っていらっしゃいました。

展示は基本的に年代順とのことですが、ジャンルが意外に広く工芸品などの小物や照明を落とした中のエッチングは鑑賞に時間がかかるのでじっくり派の方は時間に余裕を見てお出かけ下さいね。私は時間が足りなく最後のムーア「真夏」(ポスターの作品)までたどり着いたものの後ろ髪を引かれる思いで退館しました。。

英国芸術しかもヴィクトリア・アンド・アルバート博物館とくれば、工芸品・家具・調度品・アクセサリー・ファブリック等が連想され、それらの銘品が数多く展示されています。

beaut02 - コピー.jpg

更に建築・出版物・彫刻へと展開していきます。
とはいえやっぱり一番惹かれる絵画のジャンルが、私にとっては最も印象的でした。

beaut03 - コピー.jpg
レイトン「母と子(さくらんぼ)」

ひたすら美人です。たっぷりとしたギャザーの上質なドレス、自然な色使いが優美です。
キュレーターさんからの鑑賞ポイントは、まず母子像なのに子供を抱いていない(放任主義?)。果実を食べている(官能的?)。絨毯に寝そべっている(反体制的?)。調度品の屏風(ジャポニスム)。女性のアイコンである百合。
はぁなるほどー、勉強になります。意味は分からずとも美しいです。表情のアンニュイさにゆるりとした時間、セレブの余裕を感じます。

beaut04 - コピー.jpg

後半は、オスカー・ワイルドやビアズリーといった退廃・懐疑・幻想・風刺というキーワードの世界へ展開されます。ヨーロッパ全体を席巻した世紀末的な大きな潮流へ突き進んでいくんですね。

自分ではさほど得意な分野ではないと思ってたのですが、つい最近で言えば西美で観た「ムンク版画展」(3/9まで開催)、Bunkamuraの「シャバンヌ展」(3/9まで開催)、それから世田美で開催中の「岸田吟香・劉生・麗子」中の劉生にも関連性を見出すことができます。
三菱美術館ならロートレックやルドン、日本人では青木繁(内覧会でもキーワードとして飛び出した)や泉鏡花などへもつながってくる気がします。

美しい空間に身を置いて堪能する「唯美」の世界。あなたもいかがですか。

三菱一号館美術館
「ザ・ビューティフル-英国の唯美主義1860-1900」展
2014.1.30~5.6
http://mimt.jp/beautiful/


2014-03-19 10:12  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。