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うつわを鑑賞する [アート]

美術鑑賞が自分の趣味の中でも大きな位置を占めるようになって、もともと好きだった西洋絵画から日本画へと興味が広がっていくのを感じていましたが、最近ふと目にする機会が多くなったと気が付いたのが器というジャンルの美術品です。

まったくもって無学ではあるのですが、少しずつ鑑賞頻度が高くになるにつれ、対象物の方から「形がいいでしょ」とか「色が独特にみえるでしょ」とか「手に取ってみたくなるでしょう」などど語りかけてくるようになったというか、光って見えるというかそんな気がするようになってきたのです。
少し前まで茶道具展などに行っても欠伸ばかりだった私自身が信じられません。

そんな素人の感想で申し訳ないのですけれど、最近伺った2つの展覧会に特にビビっと刺激を受けたのでご紹介します。

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五島美術館
「特別展 瓷華明彩-イセコレクションの名陶-」
2015年6月27日[土]―8月9日[日]
http://www.gotoh-museum.or.jp/

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パナソニック汐留ミュージアム
「アール・ヌーヴォーのガラス展 デュッセルドルフ美術館ゲルダ・ケプフ・コレクション」
2015年7月4日(土)~9月6日(日)
http://panasonic.co.jp/es/museum/

どちらも個人コレクションだからでしょうか、アートとしてスゴイ、歴史的にスゴイ、状態もスゴイというまさに第一級という表現にも納得です。
何より作品がコレクターに「好きだから買い」と思わせる魅力を持っているということで、ひとつひとつが本当にキラッキラなんですね。
背景とか見どころなどが判らなくても圧倒されること請け合いです。

パナの方は講習会にお招きいただき、假屋崎省吾氏の楽しいトークを聴かせていただきました。
その際お花の撮影は可ということでしたので記念に。

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2015-07-29 08:43  nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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「ルオーとフォーヴの陶磁器」展、今日まで! [アート]

「ルオーとフォーヴの陶磁器」展

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会場:パナソニック 汐留ミュージアム
会期:2015年4月11日(土)~6月21日(日)
休館日:毎週水曜日(但し2015年4月29日、5月6日は開館)
開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
入館料:一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円、小学生以下:無料、20名以上の団体:各100円割引、障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能。

この展覧会、陶芸家アンドレ・メテとパリで活躍したフォーヴの画家たちによる陶磁器のコラボレーションを紹介するという日本で初めての企画で、ルオーコレクションで知られるパナソニック 汐留ミュージアム ならではの魅力的なものですので、期間ギリギリではありますが力一杯お勧めします。
尚、記事中の写真は内覧会にて許可を得て撮影したものです。

実物を目にしてこそ、その本質をはじめて知ることになる芸術が立体作品だと思います。
今回フランスから初来日したマティス・ドラン・ヴラマンクといった名だたる画家たちが発想豊かに絵付けをした皿や壺が、強烈な個性を放って会場で競演している様は圧巻というよりほかありません。

特にルオーは他の画家たちより長く親しくメテと交流し作品制作をしたとのことで、会場の後半部分にまとまって展示が公開されています。ルオー絵画の分厚く塗りこめた絵具のタッチはこの陶磁器制作を通して発展させた技巧だそう。道化師・裸婦といったルオーが好んだ題材を水彩・油彩・カップ・大皿など多様な形に取り組んだ作品を比較して鑑賞できるようになっています。

会場の前半はメテの生涯を紹介するコーナーです。
初期の、日本の茶器のような釉薬のたれ模様の作品から、白地に鮮やかな色彩模様のファイアンスという技法に移り、さらにデコラティヴで豪奢な後期の作品への変遷が見て取れます。下絵にも芸術家の熱意と才能があふれており興味深いものがあります。

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カップアンドソーサーなど実用を目的とした作品があるのが陶磁器の特徴。
家族やコレクターが実際に使用した(かもしれない)作品が展示されており、学芸員さんの話ではとある所蔵家さんは「一回くらいならお茶を飲んでいいわよ」と言って作品を貸してくれたとか!そんなまさかですが、セレブの自宅ではこんなティータイムが日常の風景なのかしら。。

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さて、メテは絵付けの題材に動物・植物・人物を多く取り入れています。
中でもうさぎはお気に入りだったようで、今回少なくとも4つの作品にうさぎが登場しています。
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このミュージアムはパナソニックの経営ですから最新鋭の照明機器が使用されており、作品の色彩や光沢感をよりリアルに感じさせるものになっています。私も細かい模様に長時間目を凝らしても目が疲れないなと実感しています。
今回第2章の冒頭ではプロジェクションマッピングによる陶器制作の過程を紹介しています。とても素敵なのでお見逃しなく。

それでは皆様、行ってらっしゃいませ。


2015-06-21 08:43  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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松園と華麗なる女性画家たち展 ブロガー内覧会に参加して [アート]

特別展上村松園 生誕140年記念「松園と華麗なる女性画家たち」

会期:2015年4月18日(土)~6月21日(日)
※会期中一部展示替えあり
会場:山種美術館(東京都渋谷区)
公式サイト: http://www.yamatane-museum.jp/
休館日:月曜日(但し、5/4は開館、5/7は休館)

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内覧会に参加させて頂いたので遅ればせながら記事をアップいたします。
 ・記事掲載の写真は主催者の許可を頂いております

小説,映画にも取り上げられるようなドラマ的人生のイメージでも有名な上村松園ですが、日本画の世界で"特に男性には負けない"という意気込みで作品を描き、作品の為の研究や独自のこだわりに対する情熱を持ち続けて多くの傑作を残した人のようです。

今回の展示では山種美術館が(多分日本一の数)所蔵する全18点の松園作品と、女性初の帝室技芸員・野口小蘋の代表作(松園は2番目でこの称号の女性はたった二人)、幕末から明治大正昭和の激動期を生きた女性画家たちの作品が3大見どころとなっています。

山種美術館創立者・山崎種二氏と松園の関係はいわゆる芸術支援活動(パトロンということですね)を通じて親しいものだったそうで素晴らしいコレクションの理由を伺うことができました。

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 蛍 上村松園(38歳作) 山種美術館蔵

38歳から亡くなる前年(73歳)の作品まで鑑賞できるのですが、一貫して"女性目線での品格のある美人画"を描いた作者の心持ちが伝わってくるようです。
何の知識や情報もなくただ眺めても勿論美しい絵の数々です。でも解説を聞き、髪型や和服,装飾品絵具や技法,時代的なモチーフや季節の演出など押さえるポイントが増えると一層興味深さが増しました。

個人的には、30代での技術を高めようと隅々まで頑張って描いている作品も素敵と思いましたが、熟練になってからの空間を活かした構図やポーズの作品にため息が出てしまいました。

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 春風 上村松園(65歳作) 山種美術館蔵

松園は表装にもとてもこだわっていたそうで、オリジナルの布を作らせるなど、絵に負けず劣らず魅力的な表装が見られますので是非ご注目を。

女性画家たちのコーナーでは実践女子学園香雪記念資料館と山種美術館所蔵の作品が百花繚乱の勢いで競演しています。キャプションにそれぞれの画家の顔写真が掲載されているのも興味をそそります。

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 紅葉狩 九條武子 実践女子学園香雪記念資料館蔵

モデルで松園から絵の手ほどきも受けていた九條武子はやはり目を見張る超美人。歌人とあって歌を添えたこの作品も独特のセンスが光って見えました。
レッスン中のツーショット写真も展示されているのでお見逃しなく。

別室では帝室技芸員の大御所男性画家たちの珠玉の作品展示が待ち構えており見ごたえ十分です。

さて企画の度に大注目のオリジナル和菓子。
今回は「ひとひら」という春の舟遊びを題材にした池田蕉園〈春流〉からイメージされたものをチョイスしました。滑らかなあんの中に杏の酸味と食感が遊び心を添えている素敵なお菓子です。
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「華麗なる江戸の女性画家たち」展
実践女子学園香雪記念資料館(東京都渋谷区)
公式サイト: http://www.jissen.ac.jp/kosetsu/index.html
が同時開催中。
こちらも是非観覧したいと思います。


2015-06-06 10:31  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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