ザ・ビューティフル展 内覧会に参加して [アート]
先日機会を頂いて、現在丸の内の三菱一号館美術館で開催中の「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900」展を鑑賞してきました。
カフェは先週のドラマ「相棒」のロケ地になっていましたね。
さてこの展覧会は、ロンドン「ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館」、パリ「オルセー美術館」、サンフランシスコ「リージョン・オブ・オナー美術館」を巡回した「カルト・オブ・ビューティ」展を再構成したとのことで、同時代の英国式建造物(クィーンアン様式)での開催ということも含め美術館スタッフの方も説明に力が入っていらっしゃいました。
展示は基本的に年代順とのことですが、ジャンルが意外に広く工芸品などの小物や照明を落とした中のエッチングは鑑賞に時間がかかるのでじっくり派の方は時間に余裕を見てお出かけ下さいね。私は時間が足りなく最後のムーア「真夏」(ポスターの作品)までたどり着いたものの後ろ髪を引かれる思いで退館しました。。
英国芸術しかもヴィクトリア・アンド・アルバート博物館とくれば、工芸品・家具・調度品・アクセサリー・ファブリック等が連想され、それらの銘品が数多く展示されています。
更に建築・出版物・彫刻へと展開していきます。
とはいえやっぱり一番惹かれる絵画のジャンルが、私にとっては最も印象的でした。
レイトン「母と子(さくらんぼ)」
ひたすら美人です。たっぷりとしたギャザーの上質なドレス、自然な色使いが優美です。
キュレーターさんからの鑑賞ポイントは、まず母子像なのに子供を抱いていない(放任主義?)。果実を食べている(官能的?)。絨毯に寝そべっている(反体制的?)。調度品の屏風(ジャポニスム)。女性のアイコンである百合。
はぁなるほどー、勉強になります。意味は分からずとも美しいです。表情のアンニュイさにゆるりとした時間、セレブの余裕を感じます。
後半は、オスカー・ワイルドやビアズリーといった退廃・懐疑・幻想・風刺というキーワードの世界へ展開されます。ヨーロッパ全体を席巻した世紀末的な大きな潮流へ突き進んでいくんですね。
自分ではさほど得意な分野ではないと思ってたのですが、つい最近で言えば西美で観た「ムンク版画展」(3/9まで開催)、Bunkamuraの「シャバンヌ展」(3/9まで開催)、それから世田美で開催中の「岸田吟香・劉生・麗子」中の劉生にも関連性を見出すことができます。
三菱美術館ならロートレックやルドン、日本人では青木繁(内覧会でもキーワードとして飛び出した)や泉鏡花などへもつながってくる気がします。
美しい空間に身を置いて堪能する「唯美」の世界。あなたもいかがですか。
三菱一号館美術館
「ザ・ビューティフル-英国の唯美主義1860-1900」展
2014.1.30~5.6
http://mimt.jp/beautiful/
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